まちなか群像 |第2回|市川久敏さん
2019/07/31
まちなか群像 第2回
塾講師: 市川久敏さん|心学塾
東大を輩出しましたとか、1ミリも興味がない
――塾を経営したり、生徒に指導する中で大切にしていることは。
この塾に通ってくれる子たちが、最終的には「来て良かった」と思えることを大切にしています。あとは、塾生にとって居心地のいい場所、構えることなく過ごせる場所になることを心がけています。教え方もですけど、接し方も心がけていますね。塾生には外で「あの塾いいよ!」と言ってもらいたいですしね。
僕は人間的な成長のほうが大切だと思っています。例えば東大を輩出しましたとか、1ミリも興味がないんです。塾って普通は進学ってイメージを持たれると思うんですが、この塾を通して「小さいことでもいいから、出来なかったことが出来るようになった」とか「勉強ができるようになって、自信がついて性格が変わっていった」とか。わずかな変化を生み出していけたらな、と思っています。けっこう塾生が口にするんですよ、「次のテストは400点取る」とか。5教科なら平均80点以上取らないといけないですよね。そうしたら僕は「よし、じゃあ今のメモしとくから」って。約束守れるように頑張ろう、と。塾生はそうやって約束を守ろうと頑張るんですが、たまには弱音を口にするんですけど、「そういう(自分の)弱い心に勝っていくのが勉強だよ」と言っています。
生まれ育った場所なので
――なぜ学習塾をやろうと思ったのですか?
塾をやろうという思いはもともとありましたが、場所は最後まで迷いました。愛知県の大学に通い、岐阜県の塾に就職したので、僕の中では愛知、岐阜、江津の三択でした。今入居している建物は実家が所有している建物なので、江津が選択肢の一つになっているのはそういう理由です。祖母が昔、江津駅前で店をやっていたので、「あのお孫さんね」と話しかけてもらえて、ここは暖かい感じがします。やりやすいですね、生まれ育った場所なので。
先輩からアドバイスをもらう
――起業するときにどんな人に相談しましたか?
塾をオープンする半年前位から、東海地方で家庭教師をされている方に相談していました。開業までに必要な準備、オープン後の広告などアドバイスをもらっていました。経営に関しては、稲盛さん(京セラ・創業者)の「売り上げを最大に経費は最小に」という、単純明快な言葉に則ってやっています。でも、子ども達のためにはお金は使いますよ。例えばウォーターサーバーを置いてます。それは自分の中では「子どものために」です。居心地のいい場所にもつながります。それから、自分自身の人間性を高めるためにお金を使うことを意識するようになりました。それは大学時代に著名人の言葉に影響されたことがキッカケです。
いかにお客様に喜んでもらえるか
――これから何かチャレンジしようとしている人にメッセージを。
一つ言えるとしたら、「お客様に喜んでもらえる」とういうことだけを考えてやればいいと思うんですよね。どんな業種もそうだと思うんですけど、いかに喜んでもらえるかを考えて突き進んで欲しいですね。
心学塾
住所 島根県江津市江津町1517-27 市川ビル2階
受付時間 月~土 10:00~22:00
HP https://shingakujuku.jp/
2015年11月9日 取材
取材・文 渡辺諭
写真・編集 盆子原照晶